「先生、もう何年も腕が上がらないんです……」
患者さんは肩を押さえながら、ゆっくりと治療室に入ってきた。日常生活は大きく制限されており、上着を着替えることも、棚の上の物を取ることもできない。夜は痛みで眠れない日が続き、病院では『五十肩だから仕方がない』と言われていた。
私は患者さんに尋ねた。
「どこまで動かすと痛いですか?」
患者さんは腕を肩の高さまで持ち上げようとしたが、強い痛みで顔をゆがめた。「ここまでです……これ以上は無理です」
私は肩の“痛みの入口”を探し、そこにメディカルシートを貼り付けた。数分後、患者さんは恐る恐る腕を動かし、肩の高さを超えて頭上まで上げることができた。
「先生……痛くない……? 本当に?」
「上がります! 腕が上がります!!」
患者さんの目には涙がにじみ、喜びの声が治療室に響いた。
解説:VASによる痛みの推移
この症例では、VAS(Visual Analog Scale:痛みの量を0〜100で評価)を用いて、痛みの入口を閉鎖していくごとに数値が減少したことを確認した。
・初診時:VAS = 100
1、肩後部第一の入口ゲート
メディカルシートで閉鎖 →
VAS 100→ 70に低下した。
2、首後部第二の入口ゲート
メディカルシートで閉鎖 →
VAS70 → 40に低下する。
3、肩前面広域第三入口ゲート
スーパーシート(SP×2枚)で閉鎖 → VAS = 0
この結果は、痛みの正体は“出口”ではなく“入口”にあることを示している。
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図1. 五十肩症例におけるVASスコアの推移
1、赤→来院時(VAS100)
2、オレンジ→肩後方に第一ゲートの存在を有する(BP装着後VAS100→70)。
3、水色→首後方BP装着後VAS70→40へ
4、右側(無)肩前面SP装着後→VAS40→0へ
参考動画リンク(五十肩ほか施術風景):https://www.super-medical.jp/movie/