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検査では異常なし。それでも痛いと言われた日のこと

「検査では、特に異常はありませんね。」
医師のその一言に、患者さんは小さくうなずきました。
でも、帰り際にぽつりとこう言ったのです。
「……でも、痛いんです。」
この言葉を、私は何度聞いてきたかわかりません。
レントゲンも、MRIも、血液検査も正常。
数値はきれい。画像も問題なし。
それでも、身体は確かに痛みを訴えている。
「異常がないなら大丈夫」
そう言われても、本人にとっては
朝起きるのがつらい
服を着るのがつらい
歩く一歩が怖い
それが現実です。
私は治療の現場で、
**「説明がつかない痛み」**を持つ人たちを、ずっと見てきました。
ここで、ひとつだけはっきり言えることがあります。
それは——
痛みは、決して気のせいではない ということです。
医学はとても優れています。
命を救い、病気を見つけ、治療法を確立してきました。
ただし、医学が扱えるのは
「写るもの」「測れるもの」が中心です。
一方で、身体には
まだ数値にも画像にもならない
変化の段階があります。
その段階で、身体は
「おかしいよ」
「無理しているよ」
と、痛みという形でサインを出すことがあります。
それは、壊れてから出る警報ではなく、
壊れる前の警告のようなもの。
検査で異常がないのに痛い。
それは、
「何も起きていない」のではなく、
「まだ名前がついていない変化」が起きている
のかもしれません。
私は、そうした身体の声に耳を傾ける仕事をしてきました。
治療をすると、
「え、軽い」
「さっきまでの痛みは?」
と、驚く人がいます。
その瞬間、皆さん同じ顔をします。
安心したような、泣きそうな顔。
ああ、この人は
ずっと「わかってもらえなかった」んだな、と。
もし今、
「異常なし」と言われて苦しんでいるなら、
どうか思い出してください。
あなたの痛みは、
間違いでも、甘えでもありません。
身体は、ちゃんと理由があって
サインを出しています。
次回は、
「原因不明」は本当に原因がないのか?
痛みが生まれる「場所」について、
もう少しだけ踏み込んで書いてみようと思います。
――つづく

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