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第3弾 症例:心房細動の患者にみられた“圧痛領域”の変化

心臓に関する不調は、
多くの場合「内側(臓器)」の問題として理解されます。

しかし、実際の臨床では

“内側の不調は、身体の表面に反映される”

という現象が繰り返し確認されます。

背景

ある患者は、心房細動 と診断され、
動悸・息苦しさ・疲労感が続いていました。

日常生活の中で、

階段で息が切れる

少し動くと脈が乱れる感じがある

胸の「奥」が握られるような感覚がある

という訴えがありました。

このとき重要なのは、

「身体は何を示しているか?」
という視点です。

観察:胸部に“圧痛の帯”があった

胸骨周囲を丁寧に触れていくと、

軽く触れただけで「うっ」と反応が出る点

その点を中心に広がる 硬さと鈍い痛覚の層

が確認されました。

つまり、

心臓(内側)で起きている変化が

皮膚の表面(外側)に“痛みの領域”として表れていた

ということです。

これが、
循環器系に関連するペインポケット の典型例です。

アプローチ:強い点ではなく、周囲の“帯”から整える

過敏な中心点へ直接刺激を入れるのではなく、
周囲に広がる帯状の領域から緩めるアプローチを行いました。

その結果、

胸周囲の防御収縮がゆるむ

呼吸が深くなる

動悸の出かたが落ち着く

という変化が段階的に見られました。

観察された変化(数回の経過)

回数 胸部の感覚 呼吸 身体全体の印象

初回 触れると強い反応 浅い呼吸 常に緊張感
2回目 圧痛が明確に減少 呼吸が深くなる 表情がゆるむ
3回目 体幹の硬さが減少 息苦しさが少なくなる 動きが滑らかに
4回目 圧痛領域がほとんど消失 呼吸が自然になる 全身の余裕が戻る

※心電図変化・心拍調整は医師によるモニタリング対象であり、
ここでは 体性感覚として観察された変化 を記載しています。

この症例が示すこと

内臓の不調も、身体表面へ“形”として現れる

痛みと緊張は「理由がなく起きる」のではない

圧痛領域は、身体が発する“見えるサイン”である

表層の変化は、深部の回復と連動することがある

つまり、

> 身体は、いつも「どこに触れればいいか」を教えている。

ということです。

まとめ

心房細動においても、胸部に 圧痛の領域(ペインポケット) が現れる場合がある

それは「感覚」ではなく 触れれば誰でも確認できる現象

領域として整えることで、
呼吸・緊張・動きの質に変化が現れる

見えない痛みを、見える希望へ。

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